謎のフォルダとGoogle先生の10年越しの”改善”案件

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はじまりは小さな違和感から

ある日の朝、コーヒーを片手にPCを立ち上げた私は、デスクトップに見覚えのない謎のフォルダを発見しました。

「なんだこれ…? tempなんとかって名前だし、きっと一時ファイルかな」

よくある話です。アプリケーションが一時ファイルを作って、終了時に削除し忘れることは珍しくありません。サクッと削除して、一件落着…のはずでした。

ところが翌日、また同じようなフォルダが現れているではありませんか。

「???」

犯人はGoogle Drive、お前だったのか

調査を開始すると、このフォルダの正体が判明しました。犯人は意外にも、普段お世話になっているGoogle Driveのデスクトップアプリだったのです。

フォルダ名は .tmp.drivedownload 。ピリオドから始まる隠しフォルダで、Google Driveの同期処理で使用される一時的なダウンロード領域でした。

「なるほど、それなら納得」

と思ったのも束の間。よく考えてみると、これはおかしい。

なぜデスクトップに?

一時ファイルなら、なぜWindowsの %TEMP% フォルダや、適切な一時ディレクトリに作らないのでしょうか。デスクトップは私の作業領域です。システムが勝手にフォルダを作る場所ではありません。

深掘り調査:Google様の”改善”の真実

さらなる調査で、驚愕の事実が明らかになりました。

元々は正しい場所にあった

実は、Google Driveは当初、正しく %TEMP% フォルダを使用していました。ところが、Google Driveフォルダが別のパーティションにある場合にうまく動作しない問題が発生。

そこでGoogleが出した”改善”案がこちら:

「一時フォルダをGoogle Driveフォルダのルート直下に作成しよう!」

Google様曰く:

“It is an improvement over using %TEMP% space as the latter does not work well when it is on a different partition than your Google Drive folder resides.”

何が問題なのか

この”改善”の問題点を整理してみましょう:

  1. 場所が不適切: デスクトップは作業領域。システムフォルダを作る場所ではない
  2. 自動削除されない: 一時ファイルなのに処理完了後も残り続ける
  3. 巨大サイズになることも: ユーザー報告では123GBに達したケースも
  4. 隠しファイル設定で見えてしまう: 「隠しファイルを表示」にしていると丸見え

Googleの驚きの対応

この問題、実は2012年から報告されています。そう、10年以上も放置されているのです。

Googleサポートの回答:

  • 「隠しファイルを非表示にしてください」
  • 「残っていたら手動で削除してください」
  • 「技術的には正常動作です」

なぜ放置され続けるのか

Googleが問題を放置する理由を考察してみました:

  1. 優先順位システム: Googleは問題の優先順位を「星の数」で決定。機能的に動作しているため緊急度が低い
  2. 回避策の存在: 隠しファイル設定や手動削除で「解決」できるため
  3. 技術優先の思想: ユーザー体験よりも技術的な動作を重視
  4. 影響範囲の認識不足: 開発者にとってはエッジケースかもしれませんが、ユーザーには日常的な問題

より良い解決策はあったはず

この問題、実は簡単に解決できたはずです:

案1:設定可能な一時フォルダ

Google Drive設定画面に「一時フォルダの場所」オプションを追加
デフォルト:%TEMP%/GoogleDrive/
カスタム:ユーザーが任意の場所を指定可能

案2:適切なアプリケーションデータフォルダ

Windows: %APPDATA%/Google/Drive/temp/
macOS: ~/Library/Application Support/Google/Drive/temp/

案3:同一パーティション問題の根本解決

一時ファイルサイズの制限
差分同期アルゴリズムの改善
ストリーミング方式の採用

教訓:技術的正しさ ≠ ユーザー体験

この事例から学べることは多いです:

開発者向けの教訓

  1. 技術的に動作する ≠ 良いUX: 機能するからといって、ユーザビリティを犠牲にしてはいけない
  2. 一時ファイルの適切な管理: OS標準の一時ディレクトリを尊重する
  3. エッジケースへの配慮: 異なる環境での動作を考慮した設計
  4. 長期的な保守性: 短期的な回避策が長期的な技術負債になる

企業向けの教訓

  1. ユーザーフィードバックの重要性: 長期間放置された問題は信頼失墜につながる
  2. 優先順位付けの見直し: 「星の数」だけでは測れない問題もある
  3. UXチームとエンジニアリングチームの連携: 技術的解決策がユーザー体験に与える影響の評価

結論:Google様、お願いします

Google Driveは素晴らしいサービスです。クラウドストレージの利便性、同期の信頼性、豊富な機能。これら全てが高いレベルで提供されています。

だからこそ、この一時フォルダ問題は残念でなりません。

10年以上放置された「小さな」問題ですが、毎日何百万人ものユーザーがこの「小さな」不便を体験しています。技術的な正しさとユーザー体験の両立は決して不可能ではありません。

Google様、ユーザーのデスクトップを汚さない、もう少しエレガントな解決策をお願いします。私たちは待っています。そして願わくば、あと10年は待ちたくありません。


P.S. この記事を読んでいるGoogle関係者の方、もしいらっしゃいましたら、Issue Tracker で関連する問題に星を付けてください。きっと優先順位が上がります…多分。

参考資料

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